2025/10/06 19:32

【古着ブランド解説】LONDON FOG|アメリカ古着を語る上で欠かせない存在
アメリカ古着の中でも、クラシックな雰囲気と上品な佇まいで人気を集める「LONDON FOG(ロンドンフォグ)」。
古着屋でも必ずと言っていいほど見かけるブランドですが、そのルーツを知るとさらに面白い存在です。
LONDON FOGの始まりは1942年、アメリカ・メリーランド州ボルチモア。
当時は「The Londontown Clothing Company」という名で、第二次世界大戦中はアメリカ海軍の防水ジャケットを製造していました。
この“ミリタリーウェアの背景”こそが、LONDON FOGのコートに見られる耐久性や機能性の原点です。
戦後は民間向けにシフトし、「LONDON FOG」というブランド名で展開を開始。
1950〜60年代に登場した防水トレンチコートは、ナイロン×コットンの「40/60クロス」素材を採用し、
軽量で防水性に優れながらもスーツに合わせられる上品さを持つ傑作として人気を博しました。
当時のアメリカでは“雨の日の定番コート”として浸透し、「トレンチ=LONDON FOG」と呼ばれるほどの存在になります。
1970〜80年代にかけては全米で最も売れたコートブランドの一つへ。
この時代のLONDON FOGはMADE IN U.S.Aタグが輝く名作揃いで、裏地のチェック柄やチンストラップ、比翼仕立てなど、
ミリタリーの名残を感じるディテールが魅力。古着好きの間では「LONDON FOGは80年代が一番面白い」と言われるほどです。
90年代以降、一度は勢いを失いましたが、現在では古着市場で再評価が進行中。
80〜90年代製のウールコートやトレンチは素材の質感や縫製の良さが際立ち、
現行品にはない“アメリカ製特有の重みと味”が楽しめるとして人気を集めています。
古着で探すなら、タグのデザインや裏地のチェック柄に注目。
年代によって細かな違いがあり、まるで時代を旅するような楽しさがあります。
機能美と品格を兼ね備えたLONDON FOGは、今なおアメリカ古着の象徴的ブランドとして愛され続けています。
🧥 当店でもLONDON FOGのトレンチコートやウールコートを入荷中。
年代ごとに異なる表情を、ぜひ手に取って感じてみてください。